デザイナーズ カラーリングブック(2008)


私たちは、豊穣な色彩によって囲まれています。それに敢えて色名をつけたのが、JIS慣用色名で、日本語と外国語の色名あわせて269色が記されています。DICカラーガイドでは2553色もあります。
 これがコンピュータとなると、表示できる色数は1670万色といわれ、無限といってよいでしょう。CMYKのかけ合わせで考えても、例えば1%刻みですと1億色となり、これも無限といってよいでしょう。
 とはいえ、デザイナーとして実際に選ばなければならない色の数はそれほど多くありません。
 私がデザイナーになりたての頃、月刊『ことば』という雑誌のデザインを頼まれていたことがありました。本文はテキストのみの1色ですが、目次だけは特色2色でした。通常ですと、スミ+特色1色となるところですが、スミを使わない2色の組み合わせを試していました。
 そのなかで少しずつわかってきたことがありました。例えば、1色が同じであっても、もう1色を変えるだけでもとの色の印象が変わるということ。また、色の組み合わせ方、デザインによっても色の雰囲気が大きく変わるということです。つまり、悪い組み合わせの色というものはない、ハレーションを起こす色でもデザインによっては十分成り立つのです。
 デザイナーには当然、好きな色があります。自らのアイデンティティを示そうとするかのように、自分の好きな色を必ず使うデザイナーもいます。なかには、コンピュータに過重な信頼を置くデザイナーの典型のような、オレンジやグリーンを頻繁に使うデザイナーもいます。オレンジやグリーン、ブルーは、モニター上ではすごくきれいに見える色だからです。これをCMYKに変換すると一気に彩度が落ちてしまいます。
 しかし、こうしたCMYKでは彩度が落ちる色も、隣合う色の選び方や、それらの色の使い方によって、急に彩度を増したように見えることもあります。やはり要はデザインです。
 本書では、前著『デザイナーズ カラー チャート』を受けて、そこで取り上げたメインカラー10色を基準に、それぞれ濃色、淡色を加えた計30色による順列組み合わせの配色例を展開しています。
 前著でも述べていますが、色とは、単独なのか、ほかの色と接しているか、色面が広いか狭いか、白地に色が置いてあるのか、黒のように濃い色の上にのっているのか、文字に色がついているか否か、お互いがグラデーションでぼけ合わされているのか、同色系で組み合わされているのかなど、条件によってさまざまな表情を見せてくれます。
 本書では、そのさまざまな条件をできるだけ簡潔に反映して、色の変化相が一望できることをめざしました。もちろん、前著と同様、本文を6種類の紙で印刷していますので、紙による色の見え方もチェックできます。配色の予測をたてにくいクラフトペーパーのような紙もありますので、参考になるでしょう。普通ですと、再現性の高いアート・コート紙や微塗工紙をつい選びがちですが、印刷用紙の違いによる発色度を比べるのも一興です。
 デザインという仕事は経験値で成り立っています。経験値が蓄積されるに従って選択眼も磨かれます。本書では、その経験値の蓄積のためのお手伝いができればと思っています。ともかく、配色はデザイナーにとって仕事の要です。本書を活用して、大いに楽しみましょう。(はじめにより)

Designers’ Coloring Book (2008)

松田行正著
B5判変型並製878ページ
マイナビ 購入するkago_icon_02

by Yukimasa Matsuda 
Softcover: 878pages 
Language: Japanese 
Product dimensions: 24×18×4.7cm


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デザイナーズ カラーリングブック(2008)
Designers’ Coloring Book (2008)

松田行正著
B5判変型並製878ページ
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by Yukimasa Matsuda 
Softcover: 878pages 
Language: Japanese 
Product dimensions: 24×18×4.7cm


私たちは、豊穣な色彩によって囲まれています。それに敢えて色名をつけたのが、JIS慣用色名で、日本語と外国語の色名あわせて269色が記されています。DICカラーガイドでは2553色もあります。
 これがコンピュータとなると、表示できる色数は1670万色といわれ、無限といってよいでしょう。CMYKのかけ合わせで考えても、例えば1%刻みですと1億色となり、これも無限といってよいでしょう。
 とはいえ、デザイナーとして実際に選ばなければならない色の数はそれほど多くありません。
 私がデザイナーになりたての頃、月刊『ことば』という雑誌のデザインを頼まれていたことがありました。本文はテキストのみの1色ですが、目次だけは特色2色でした。通常ですと、スミ+特色1色となるところですが、スミを使わない2色の組み合わせを試していました。
 そのなかで少しずつわかってきたことがありました。例えば、1色が同じであっても、もう1色を変えるだけでもとの色の印象が変わるということ。また、色の組み合わせ方、デザインによっても色の雰囲気が大きく変わるということです。つまり、悪い組み合わせの色というものはない、ハレーションを起こす色でもデザインによっては十分成り立つのです。
 デザイナーには当然、好きな色があります。自らのアイデンティティを示そうとするかのように、自分の好きな色を必ず使うデザイナーもいます。なかには、コンピュータに過重な信頼を置くデザイナーの典型のような、オレンジやグリーンを頻繁に使うデザイナーもいます。オレンジやグリーン、ブルーは、モニター上ではすごくきれいに見える色だからです。これをCMYKに変換すると一気に彩度が落ちてしまいます。
 しかし、こうしたCMYKでは彩度が落ちる色も、隣合う色の選び方や、それらの色の使い方によって、急に彩度を増したように見えることもあります。やはり要はデザインです。
 本書では、前著『デザイナーズ カラー チャート』を受けて、そこで取り上げたメインカラー10色を基準に、それぞれ濃色、淡色を加えた計30色による順列組み合わせの配色例を展開しています。
 前著でも述べていますが、色とは、単独なのか、ほかの色と接しているか、色面が広いか狭いか、白地に色が置いてあるのか、黒のように濃い色の上にのっているのか、文字に色がついているか否か、お互いがグラデーションでぼけ合わされているのか、同色系で組み合わされているのかなど、条件によってさまざまな表情を見せてくれます。
 本書では、そのさまざまな条件をできるだけ簡潔に反映して、色の変化相が一望できることをめざしました。もちろん、前著と同様、本文を6種類の紙で印刷していますので、紙による色の見え方もチェックできます。配色の予測をたてにくいクラフトペーパーのような紙もありますので、参考になるでしょう。普通ですと、再現性の高いアート・コート紙や微塗工紙をつい選びがちですが、印刷用紙の違いによる発色度を比べるのも一興です。
 デザインという仕事は経験値で成り立っています。経験値が蓄積されるに従って選択眼も磨かれます。本書では、その経験値の蓄積のためのお手伝いができればと思っています。ともかく、配色はデザイナーにとって仕事の要です。本書を活用して、大いに楽しみましょう。(はじめにより)




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