HATE!(2018)
真実の敵は憎悪である
松田行正 著
四六判変型 並製 384ページ
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定価 本体2,500円+税 ⚫︎購入する
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HATE!
The real enemy is hatred
by Yukimasa Matsuda
Softcover 384pages
Language: Japanese
Product dimensions: H18.8×W12.6×D3.2cm
Price: 2,500yen+tax
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「世界には憎しみが溢れている。人間の歴史がはじまって以来ずっとだ。人間とは、憎しみを糧に生きているのではないのか、と思いたくなるほど。平和に暮らすための真の敵は憎悪なのだろう。ルネ・デカルト風な皮肉で言えば、『我憎む、ゆえに我あり』だ」(はじめにより)
憎しみとともにさまざまな差別も世の中にはびこって、人間は歴史から何も学んできていません。自分を「上」に見せるためには「下」のクラスをつくるしかない。それが女性だったり、子どもだったり、違う人種だったり、同じ人種でも、家柄の違い、住んでいるところの違い、収入の違いなど、本気で相手を貶めようとするならいくらでもそのネタは見つけられます。
本書では、そうした差別の諸相のなかでも歴史のある「人種差別」に焦点を絞って、「黒人差別」(黒禍)「アジア人差別」(黄禍)「ユダヤ人差別」(ユダヤ禍)を各々32ページのカラーペ−ジとともに展開しています。これらは「差別」のひな形であり、詳細に検証することで「差別」を見つめ直す契機になるかもしれません。
差別は人の目を曇らせます。差別する者は、被差別者を、この世のものとは思われない悪魔のように描きます。本書の小口には、そうした悪辣な顔に描かれたユダヤ人と黄色人種としての日本人が覗いてぎょっとさせられます。