図地反転(2010)
松田行正 著
四六判 上製 248ページ
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Vantage point
by Yukimasa Matsuda
Hardcover 248pages
Language: Japanese
Product dimensions: H19.5×W13.8×D2.2cm
Price: 2,500yen+tax
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雑誌『デザインの現場』に「designscape」 と題した連載のうち『眼の冒険』に収録されたもの以外をまとめたデザイン・エッセイです。「図地反転」というのは、図と地が入れ 替わるということ。たとえば、江戸時代、士農工商という身分制度外として扱われていた非人たちは、髪型をちょんまげを切ったあとのようなボサボサな髪と決められていました。通称「散切り」頭です。身だしなみをきちんとすることが許されていませんでした。 ところが、明治になって、欧米に追いつけ追い越せ、古い文化をやめようとばかりに、散髪断刀令がだされ、武士はちょんまげを切ることを強制されました。そしてできあがったのがボサボサの「散切り」頭です。しかし、この風俗は新しい感じがして「散切り頭を叩いてみれば文明開化の音がする」と唱われました。それまで最低の格好だったものが体制 が変わったことにより最高の格好になってしまったのです。本書にはこういった図地反転がいくつも登場します。
例のごとく小口にはヒョウとシマウマが 入っています。本文も相変わらずページ単位 で「。」で終わるように調整しました。