新版デザイナーズ カラーチャート(2014)


デザイナーやクリエイターにとって重要なことの一つは「敏感であること」だと思います。色や紙質、印刷の出具合など、ディテールの妙が感知できたらすごく素敵なことだと思います。なおかつ大胆さを併せ持っていたなら鬼に金棒でしょう。「色」に則していえば、微妙な色の違いをかぎ分け、それを表現に生かせることこそ、デザイナー冥利に尽きるといえるかもしれません。
 ところが、「色」とは、なかなか厄介な代物です。CMYKのアミ1〜数%の違いをあげつらっても通常ではほとんど意味がありません。特にイエローの場合は、100%か90%の違いを判別するのは難しいでしょう。イエローにベタ(100%)色を掛け合わせているとなおさらわかりにくくなります。とはいっても、本書に掲載されている極淡色のように、極めて薄い色は、イエローが数%といえどもちゃんと主張しています。
 また、周りにどのような色がくるかで、色の印象は大きく変わります。補色がくるとハレーションを起こしますし、濃い目の色がくると実際よりも明るく見えます。これは色の面積においてもいえることで、色面が多いと明るく見え、少ないとなんとなく暗く見えます。それは、文字の色か面の色かでも違ってきます。そして、印刷する用紙の紙質・紙色によっても異なります。もちろん、印刷のインクの盛り具合でも大幅に変わってきます。白い蛍光灯か、白色光かなど、どのような光源のもとで色を見るかでも変わります。
 こんな奔放な色たちを制御するにはどうしたらよいのでしょうか。本書では、無際限にある色群のシャワーに身をまかせず、あえて限定して構成することにしました。赤・オレンジ・黄・黄緑・緑・青・紫・ピンクのレインボー・カラー8種、金色、銀色、淡色2種、濃色の計13種です。
 その結果、どちらともいえない中間調の色が消えて、性格の明快な色構成になりました。各色で色の重なりはありません。私たちがふだん眼にする「赤」という色でもかなり幅があることが見えてくると思います。
 本書のチャートでは、ベタ面に白抜き文字を入れたり、文字の書体・級数をさまざまに変えて色文字にしたり、数種類の細い罫線を加えたり、同じ色での見え方の違いがわかるように工夫しました。
 今回新版を出すにあたり、従来の淡色チャートのほかに、5%以下のごく淡いCMYを掛けあわせたチャートも追加しました。白い紙に地色を敷いて風合いを加えたい場合などに活用してください。
 また、同じ色情報が紙質によってどのくらい変わるかチェックできるように6種の紙に印刷しています。微塗工紙の中でも発色に優れた「b7トラネクスト」、ハイグロス・タイプのコート紙「オーロラコート」をメインとして、マット系のコート紙「アルティマックス」、中質紙として「フロンティタフ80」、非塗工紙「しらおい」、封筒や包装紙などに使われるクラフト紙「東海クラフト」をサブとして使っています。
 これらの紙を繰りながら同じ色の変化を楽しんで色選びにお役立てください。微妙すぎて色の違いがわからないところも、指で一色を隠すと両脇の色の違いが明らかになってきます。
 とはいえ、本書は色選びのためのあくまでもヒントです。要は、色の微妙な変化を敏感に察知して、イメージをふくらませることができる身体能力を身につけることです。そのためには、なぜその色を選んだのかという情報を経験知として記憶し、貯えておくことが大事だと思います。(はじめにより)

Designers’ Color Chart (2014)

松田行正著
B5判変型並製440ページ
マイナビ 購入するkago_icon_02

by Yukimasa Matsuda 
Softcover: 440pages 
Language: Japanese 
Product dimensions: 24×18×3cm


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新版デザイナーズ カラーチャート(2014)
Designers’ Color Chart (2014)

松田行正著
B5判変型並製440ページ
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by Yukimasa Matsuda 
Softcover: 440pages 
Language: Japanese 
Product dimensions: 24×18×3cm


デザイナーやクリエイターにとって重要なことの一つは「敏感であること」だと思います。色や紙質、印刷の出具合など、ディテールの妙が感知できたらすごく素敵なことだと思います。なおかつ大胆さを併せ持っていたなら鬼に金棒でしょう。「色」に則していえば、微妙な色の違いをかぎ分け、それを表現に生かせることこそ、デザイナー冥利に尽きるといえるかもしれません。
 ところが、「色」とは、なかなか厄介な代物です。CMYKのアミ1〜数%の違いをあげつらっても通常ではほとんど意味がありません。特にイエローの場合は、100%か90%の違いを判別するのは難しいでしょう。イエローにベタ(100%)色を掛け合わせているとなおさらわかりにくくなります。とはいっても、本書に掲載されている極淡色のように、極めて薄い色は、イエローが数%といえどもちゃんと主張しています。
 また、周りにどのような色がくるかで、色の印象は大きく変わります。補色がくるとハレーションを起こしますし、濃い目の色がくると実際よりも明るく見えます。これは色の面積においてもいえることで、色面が多いと明るく見え、少ないとなんとなく暗く見えます。それは、文字の色か面の色かでも違ってきます。そして、印刷する用紙の紙質・紙色によっても異なります。もちろん、印刷のインクの盛り具合でも大幅に変わってきます。白い蛍光灯か、白色光かなど、どのような光源のもとで色を見るかでも変わります。
 こんな奔放な色たちを制御するにはどうしたらよいのでしょうか。本書では、無際限にある色群のシャワーに身をまかせず、あえて限定して構成することにしました。赤・オレンジ・黄・黄緑・緑・青・紫・ピンクのレインボー・カラー8種、金色、銀色、淡色2種、濃色の計13種です。
 その結果、どちらともいえない中間調の色が消えて、性格の明快な色構成になりました。各色で色の重なりはありません。私たちがふだん眼にする「赤」という色でもかなり幅があることが見えてくると思います。
 本書のチャートでは、ベタ面に白抜き文字を入れたり、文字の書体・級数をさまざまに変えて色文字にしたり、数種類の細い罫線を加えたり、同じ色での見え方の違いがわかるように工夫しました。
 今回新版を出すにあたり、従来の淡色チャートのほかに、5%以下のごく淡いCMYを掛けあわせたチャートも追加しました。白い紙に地色を敷いて風合いを加えたい場合などに活用してください。
 また、同じ色情報が紙質によってどのくらい変わるかチェックできるように6種の紙に印刷しています。微塗工紙の中でも発色に優れた「b7トラネクスト」、ハイグロス・タイプのコート紙「オーロラコート」をメインとして、マット系のコート紙「アルティマックス」、中質紙として「フロンティタフ80」、非塗工紙「しらおい」、封筒や包装紙などに使われるクラフト紙「東海クラフト」をサブとして使っています。
 これらの紙を繰りながら同じ色の変化を楽しんで色選びにお役立てください。微妙すぎて色の違いがわからないところも、指で一色を隠すと両脇の色の違いが明らかになってきます。
 とはいえ、本書は色選びのためのあくまでもヒントです。要は、色の微妙な変化を敏感に察知して、イメージをふくらませることができる身体能力を身につけることです。そのためには、なぜその色を選んだのかという情報を経験知として記憶し、貯えておくことが大事だと思います。(はじめにより)




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